実験用正負可変シリーズ電源とデジタルオシロ

負荷に対する特性を色々測定してみました.トランスが1[A],レギュレータ317/337が1.5Aの仕様なので,トランスがネックになりそうです.トランス能力の半分から7割りくらいと思った方が良いです.細かい数値をいろいろ測定しましたが,ざっくり言うと,±15[V],0.7[A]というスペックであれば,最大負荷時に出力が1%ダウン,リップルは正負のどちらも6-8[mV]程度で思ったより優秀でした.

測定していてデジタルオシロの秘密?に気が付きました.使いこなされている人はご存知かと思いますが,プローブをx10にすると,微小電圧の誤差が大きくなります.x10にしたことで,プローブからの信号は1/10に弱くなります.デジタルオシロ側は表示を10倍にするために内部で計測値を10倍にしているのですが,これがアンプのゲインを10倍にするのではなく,ADCの値に10を掛けているのでしょう.そのため,微小な電圧に関して不自然に大きな,というか粗い数値になるみたいです.デジタルオシロでは1GHzとかの高速サンプリングが必要なので,量子化誤差の小さい多ビットのADCを使うのは難しいと思うので,仕方ないのかもしれません.

学生の頃,実験でx10にした方が回路に与える影響が少なくて良い,となんとなく言われ続けたので,x10を使いたくなってしまうのですが,注意が必要です(それでなくても内部ノイズが多いデジタルオシロですし).

話を電源に戻しますが,こんなに優秀ならば,無線機の電源にも使いたくなります.でもFT-450は50[W]出力だと15[A]くらい欲しいんだよなぁ.

3 thoughts on “実験用正負可変シリーズ電源とデジタルオシロ

  1. まあ結局そういうアンプを作るだけで高価になってしまうんでしょうね。高速なADCは出力にDDCが入っているんですね。デジタルのミキサでダウンコンバージョンしてからデシメーションするみたいです。電源の件、電源のノイズはさほど気にされなくても良いのでは。たぶんそれ以外のノイズ発生源の方が問題になります。:-P

  2. 高速なADCとなると,いくつもの比較器を並べてやることになるでしょうから,精度を保つのも大変ですし,高価になるのでしょうね.初期のデジタルオシロはテクトロとかでも6bitしかなかったです.その後8bitが出てきて喜んだのを今でも覚えています.さすがに最近はもっと良いのかも知れませんが,あの価格のデジタルオシロだと8bitでしょうね.それにしても,x10をアンプでやるのはダメなのかな?DCから100MHzの帯域をフラットなアンプは難しいかも知れませんが.
    15[A]の電源は悩みものです.本当は,ローノイズが必要なのは受信のみなので,受信用と送信用で電源が別途入れられれば解決なのですが.

  3. 15Aをシリーズレギュレータとトランスで実現するのは大変ですね。デジタルオシロの件、たぶんここらへんの8bitのADCですよね。
    http://www.tij.co.jp/product/jp/adc08d1020
    digikeyでみたら$400くらい、かなり高価ですね。12bitだと$1000近くするみたいです。HantekのDSO-2090(100MPS)に使われているADC08060だと$5なのでサンプルレートがあがると一気に高価になりますね。