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ナルゲンボトルとアルコール

ナルゲンボトルにヒビが入りました.
軽装で登山する際は,荷物軽量化のためにアルコールストーブを使うことも多いです.

コンパクトかつ軽量で,カップ麺用のお湯を沸かすくらいならば十分です.
この燃料であるところのメタノールを運ぶのに,ナルゲンのボトルがおすすめと書かれていることが多いので使っていたのですが,ある日,以下の写真の様にヒビが入ってしまいました.
風化というか,化学的に侵食された感じです.蓋を開けた際にミシっと音がしたのでよく見たらこんな状態になっていました.材質はポリカーボネートとのことで,調べるとメタノールはダメらしいです.世間でアルコール保管用と言われているナルゲンボトルは,白い広口ボトルのことらしく,こちらは,

ヒビが入ったナルゲンボトル

世間でアルコール保管用と言われているナルゲンボトルは,白い広口ボトルのことらしく,こちらは,ポリエチレン/ポリプロピレンで出来ていてアルコール耐性があるらしい.ポリカ製を選んだのは大失敗でした.もっと大きいボトルにもアルコールを入れているのですが,まだヒビが入っていません.今のうちに容器を変更しようと思います.

Radius 21

Radius 21

数年前にebayで入手したRadius 21.
既に何回か桝形山無線倶楽部の活動に投入していますが,きちんと記事として触れていなかったので,まとめてみます.

【購入⇒受入れ検査?】

遥々と遠くポーランドから届いた時は,結構使い込まれた状態で,そのままでは全く動く感じではありませんでした.加熱する部分は鉛板をドーナツ状にくり抜いたパッキンが使われているのですが,それが一箇所不足.タンク内部は灯油の残りでなんとなく湿っている感じでした(よくあるパタン).何よりもひどかったのは,バーナー部分の詰まり.燃焼させると調子悪いとかそういうレベルではなく,口をつけて吹いても空気も通らない,鼻づまり状態です.まあ,なんとかなるだろうということで,キャブレタークリーナー液をたっぷり入れたジップロックに封入,一週間後に作業をすることにします.

 

【前準備】

その間に,便利な通販サイトを使って,不足していた鉛パッキンや他のパッキン類(念のため)を手配します.この頃のデザインのストーブはOptimusもPrimusもRadiusもマナスルもほとんど同じサイズのネジ,パッキンになっているので,メンテ用部品がアフターマーケットでたくさん流通しています.人によっては,車やバイクのエンジン用ガスケットをくり抜いて耐熱パッキンを作り出すそうです.まあ,エンジン類に比べたら,簡単な構造ですし,万一漏れても,ちょっと横から火が出るくらいですからね.

工具類も手配します.入り組んだところにガスの噴出ノズルがあり,それをひねって取り出すためのユニバーサルジョイント付きのスパナみたいなやつがあると便利です.あとは,灯油を圧送するためのポンプ機構がありますが,そのバルブ(NRV)をとりはずすためのくびの長いレンチ,ノズルの穴をお掃除するための針がついた道具などもこの手のストーブの専門店で手配しておきます.

同時に,灯油の手配も進めます.最近は灯油ストーブを使うことも無いので,家に備蓄がありません.大量に使うわけでは無いので,なるべく小さい灯油タンクを探します.ガソリン用の金属製の携行缶でも良いのですが,スタンドによっては,真っ赤な金属携行缶はガソリン用で灯油は不可とか石頭な(失礼!)対応をされるらしいので,如何にも灯油用という真っ赤なポリタンクを調達します.18リットルはでかいので,少し小さい10リットル用を入手し,車の後部座席に乗せてガソリンスタンドへ行くと,窓からその存在をみとめた店員さんが自動的に?後部座席ドアを開けてポリタンクを取り出し,灯油を入れ始めてくれました.素晴らしいです,これでこそ,専用のポリタンクを用意した甲斐があるというものです.

プリヒート用のアルコールも手配します.メチルアルコールは,燃料用アルコールとして東急ハンズでも薬局でも入手が容易です.むしろ,小分けして保管すつ容器に困ります.アルコールに相性の悪い樹脂があるので,注意が必要です.登山用品として有名なナルゲンのボトルを使うことにしました.

【お掃除・お手入れ】

キャブレタークリーナーもなかなか奥までは浸み込まないらしく,一週間経っても,ポロっとつまりが解消するというわけにはいきませんでした.バラバラにしてからくねった配管の中をなんとか掃除しようと挑戦が始まります.一番役に立ったのは,エレキギターの弦でした.交換した後の使用済み弦を使います.一番細い1弦から太い6弦までありますが,細い弦はノズルのお掃除につかえますし,太い弦は詰まった配管をほじるのに便利でした.配管がU字型に曲がっているので奥の詰まりを取り除くことができます.何時間かの奮闘の後,無事開通.

続いてNRVの交換です.専用レンチを手に入れましたが,ネットの情報では,固着していてねじ切る人が多いとのことで,慎重に作業を進めます.NRVは自転車のタイヤチューブの空気を入れるところと似た構造ですが,虫ゴムではなく,バネで栓を押し付けていて,空気の圧力で栓が動いてタンク内に空気が入っていく仕組みになっています.バラしてみると,この栓がモロモロにくずれる状態になっていました.栓だけを交換しても良いのですが,NRVユニットで入手していたので,ユニットまるごと交換しました.

続いて修理したのは,ポンプの摺動パッキンの部分です.革のパッキンの部分は大丈夫なのですが,ネジを適当に修理したみたいで,ぐらぐらしていますし,ナットも割れている感じです.他のナットで代用しようとしたところ,ネジのピッチが合いません.というか,規格外のピッチの様です.今後のことを考えて,ダイスでネジを切りなおし,ステンレスのISOネジ用ナットで固定しました(ビンテージのレストアというよりは,実用性重視です).なお,パッキンの潤滑油として,WD40とかCRC556とかを吹いておくと良いです.灯油で洗われて潤滑が失われることが多いので,小まめに点検すると良いです.

【試運転】

若干多過ぎかと思いましたが,タンクの7割くらいまで灯油を注入(コールマンのフィルタを使って注入口から入らなくなるくらい).プレヒート用の皿にアルコールを一杯まで注ぎ点火.この時,ポンプ頂部の空気抜きバルブは開けておきます(閉めてしまうと,プレヒートで温まった燃料がノズルから出てきてしまいます(大きな問題では無いですが,炎上して煤が出る原因になります).アルコールの火が消えかかったところで,空気抜きバルブを閉じて,ゆっくりとポンプすると,ノズルからガス状になった灯油が出てきますので,ライターで点火すればOKです(慣れると,アルコールの火が消えるギリギリのタイミングでこの操作を手早くやって,アルコールの火で点火も可能です.大した話ではないので,慣れたらトライしてみてください).

シングルのノズルから噴き出した炎をプレートに吹き付けるこのスタイルのバーナーは,各社ストーブの基本形として広まっていますが,結構な轟音です.溶接用のガスバーナーと似た感じですね.

まだ,掃除が行き届いていないのか,あるいはポンプの潤滑油が混じっているのかわかりませんが,少し赤い炎が混じります.温まってくると次第に青火が勝ってくる感じです.途中に残っていた過去の煤の塊が少しずつ剥がれてノズルの方へ集まってくるので,時々ノズルをお掃除すると,4方にきれいに広がった炎が得られやすいですね.

【実戦投入】

まずは,庭で実戦投入.灯油バーナーが得意な炊飯です.一度沸騰させたらあとはごく弱火で20分,以上.おこげは出来ますが,使えることは確認できました.

その後,何回か桝形山無線倶楽部の活動に投入してきましたが,それについては他の記事をご参照ください(あまり書いていませんが).

箱ストーブ:Optimus 8R

ebayをながめていたら,なかなか状態の良いOptimus 8Rがオークションではなく,”buy it now”で出品されていたので速攻でポチりました.

Optimus 8R

今度はRadius 21やMSR Whisperlite Internationalと異なり,ガソリン専用です.
タンクからヘッドへは,木綿の紐の束を伝ってなんとなくガソリンが染みていきます.プレヒートされたヘッドから揮発したガソリンのガスが燃焼するスタイルです.そして,次第にタンクも温まり,タンク内のガソリンが加圧されて,燃焼が継続します.同じOptimusから出ている123Rと同様の仕組みです.
123Rの方がタンクへの熱の伝わりが大きいため,寒い環境での稼働が良いそうですが,逆に周囲を下手に囲んで過熱すると炎上することもあります.一方,8Rはその辺りを気にしてか,タンクの上に一枚遮熱用の金属プレートが存在します.
箱ストーブという構造上,タンクの上に鍋が接近する可能性が高いことへの配慮でしょう.

外箱の印刷を見ると1991年製の様ですが,8Rとしては後期型で,金属ケースにレリーフは無く,ベークライトの調節つまみも付いていません.数回使われただけの様で,新品に近い状態でしたので,いきなり燃料を入れて試すと,何の問題も無く動きました.これは実戦投入向きで嬉しい限りです.ただ,風防が無いので風に弱く,また,火力は,タンクが温まるまでは弱い雰囲気でしたので,簡単な調理くらいから投入するのが良さそうです.

ハクキンカイロ

ハクキンカイロ

普通の登山と比較して,SOTAの様に山頂における無線運用が伴う遊びでは,滞在時間が比較的長いために結構寒く感じます.特に手足が.電鍵もうまく操作できないというか,操作する気概がダメージを受けやすいです.時には通信よりも,ストーブに点火して調理や温かい飲み物作りへ流れかねない(笑)です.
そこで,使い捨て懐炉が登場するのですが,化学的な酸化反応による発熱のため,低温が過ぎると,発熱が弱るという弱点があります.そのためか,登山,特に冬山を目指す一部の人の間では,古式ゆかしいハクキンカイロが見直されている様です.特に,液燃ストーブが好きな人にとって,ホワイトガソリンみたいなベンジンを用いるハクキンカイロは,ZIPPO並に強い関心を引く存在です.
ハクキンカイロは,白金の触媒作用を用いて燃料を緩やかに燃焼(酸化)させるもので,炎が燃え上がるわけではないです.そのため,内部の綿に浸み込ませた高々10gとか20gとかの燃料で24時間以上(実測30時間弱くらい)発熱を続けることができます.
実際に使ってみると,使い捨て懐炉と比較して,パワフルに感じますね.排気ガスというか未燃焼ガスの匂いが若干気になるので,屋外活動には良いですが,オフィスワークの場合は,扱いに気をつかった方が良いかと思います.身に着けていて,机上に置いておいたりしなければ大丈夫でしょう.
季節物なので,欲しいと思ったら冬の間に入手しておきましょう.