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BOSSリバーブエフェクター RV-6

BOSSリバーブRV-6

最近,エフェクタ作りに凝っていますが,リバーブだけは作るのが困難なので,定評のあるBOSSのRV-6を買ってみました.
リバーブは基本的に,昔ながらのスプリング,ホール,ルーム辺りが押さえてあれば演奏としては十分なのですが,それ以外にもプレート,シマー等面白い効果が追加されていて,楽しめます.

デジタル処理なので,音質はとてもクリアで快適,音楽のカテゴリを選ばずに使える思います.
リバーブ系は消費電力が大きい(50[mA]とか100[mA]とか)ので,基本的にはACアダプタで用いるべきです.BOSSのエフェクターは最初からバッテリーが内蔵されていることが多いのですが,液漏れ事故を起こすと悲しいので,リバーブの場合は早々に抜き取っておいた方が良いかも知れません.

エフェクター実験箱

ボール盤が来て,穴開けも怖くなくなったので,エフェクターを効率的に実験するための装置を作ってみました.

エフェクター実験箱

電源や標準プラグ,適当なポット(ボリュームのこと,英語ではポテンショメータなのでポット)をいくつか備え,内部には小型のブレッドボードを二枚セットしました.今,仮組してあるのは基本的なファズのエフェクター回路です.
これで,効率良く実験が出来ます.

Fulltone OCD風overdrive effctorを作ってみた

以前,KLON Centaur風エフェクタを作成した時と同じところから基板を入手して有名なFulltoneのOCD風のoverdrive effectorを作成してみました.

Fulltone OCD互換の基板

FETの2N7000,Geダイオード1N34,OPアンプTL082CPあたりが主要な半導体です.今回は,キャパシタにはWIMAを多用してみました.ハモンドの1590BSケースがおすすめとのことですが,あいにく桜屋電機店には1590B (BSよりも少し背が低い)しかなかったため,それで強行.3PDTのスイッチ,ポットが3個,1PDTのスイッチ,LED,DC電源コネクタ,標準サイズのモノラルプラグが2個,そして基板を押し込むのに難儀しました(高さは重要).

ハモンドのケースはアルミの板厚が2mmもあり,穴開けに苦労します.例えば,6.5mmのドリルは,注意しないとチャックがすべってしまうくらい抵抗があります.半田付けは3時間もあれば十分ですが,ケース加工には1~2日かかってしまうくらいです(大型のボール盤とケースを押さえる台があれば早いかと).

Fulltone OCD風エフェクター

早速試奏,思ったよりも良い音というか,よく聞くオーバードライブの音が容易に出てくるのがさすがです.ただ,3PDTスイッチでトゥルーパスにすると,甲高い発振音が聞こえます.もしやと思い,シールドをギターから抜いて試すと,更に大きな音で発振します.これは明らかに,オペアンプが発振している感じです(TL082CP一個だけですが).

プリント基板の製造元,仙台初心者ギターサークル「音色研究会」のサイト

http://guitar.plaisir-pc.com/2018/01/28/ocd/

を見ると,下の方にやはり発振の件が書かれており,対策としてC5の220pFを1000pFにするとおさまる,とあったので,とりあえず,220pFに並列に470pFを追加したところ,きれいに発振がおさまりました.入力がオープンでは無い場合も裏で発振が重なっていた様で,この改良により,エフェクターの出力音がよりきれいにもなりました(最初から気づかんかい!という話もありますが,歪系のエフェクターは判断が難しいw).

なかなか太くてカッコイイ音のオーバードライブなので,テレキャスやストラトにはぴったりですが,逆に,フルアコには全く馴染まないですね.

また,ギターピックアップからの出力レベルにかなりセンシティブに音質,歪具合が変化するので,ギター側のポットをいろいろと調整すると楽しいです.

DCプラグの極性あれこれ

最近こそIEEE規格が出てきたりしていますが,DCプラグの世界は混沌としていますよね.
特に極性がバラバラです.最近の機器は,無線機に限らず,Arduinoみたいなマイコンボードでも外側がマイナス(GND)で,センターピンが+というのが主流になっていますが,少し前は逆が主流だった気がします.
古くは,子供の頃に買ってもらったスカイセンサー5800のACアダプタの極性がセンターGNDで外側が9Vでした(あの頃のACアダプタはトランス+整流,平滑のみだったので,ラジオをつながないと9Vよりも高い電圧になり,子供心に不思議でした,定格と違うじゃーん,という感じで).

あとは,八重洲の無線機FT-690mkIIもセンターがGNDですね.

最近色々作っているエレキギター関係の周辺機器,特にエフェクターの世界もセンターがGNDで事実上デファクトスタンダードになっている感じです.まあ,業界としてあれだけ広まってしまうと,今更変えられないでしょう.

同軸ケーブルのイメージだと,なんとなく外側がGNDにしたい気分になるのですが,なぜ,センターGNDなのでしょうね?ジャックには,プラグを差し込んだ時に接点が離れる構造になっている第三の端子があります.これは,ACアダプタを差し込むと内蔵バッテリーを切り離すための工夫です.それが,端子の外側で行われる動きなので,端子の外側を+と考えたかったのかも知れませんね.

もうひとつ地味な問題は,2.1mmと2.5mm問題があります.なんか差さってしまうんですよね.詳しく調べていないのですが,2.5mmのジャックはセンターピンが少し太いみたいで,2.1mmのプラグを2.5mmのジャックへ差すことは出来ないのですが,逆は,2.5mmのプラグを2.1mmのジャックへ差すことは出来るみたいで.
2.5mmは使わないようにしているのですが,時々サトー電気で間違えて2.5mmの方の部品を買ってきてしまい,部品箱で混在していることがあるので,注意しないと.
IEEEの規格は,物理的な大きさだけではなく電圧まで規定しているので,あれをそのまま守るのも面倒かな.

クリーンな?電源

以前,実験用の可変シリーズ電源を作りましたが,今回は,エフェクター用にシリーズ電源を作りました.
DC12V入力9V出力というのはよく市販されていますが,トランス好きなので,AC入力なものにします.アナログエフェクターは10[mA]とか20[mA]くらいしか消費しないので,秋月で豊澄のHT-1205(12[V], 500[mA])を660円で購入し,9[V], 500[mA]の三端子レギュレータ78M09と適当なキャパシタで組みました.この際,SoulfoodのACアダプタをみならい,三端子レギュレータのアース端子にシリコンダイオードを挟んで,約9.6[V]出力を目指しました.006Pが新品の時は,これくらいの電圧になるらしく,それくらいの値にしておくと,エフェクターが良い音がするという話もあります.

アルミケースを眺めると,2.1[mm]のDCジャックが6個並べそうです.ACケーブルはケースに穴を開け,ゴムのグロメットをはめたところから通し,ミニのガラス管ヒューズのケースとスイッチを経てトランスへ接続します.小型なので,特にACインレットは使いません.

小型のネオンランプが無かったので,今回はパイロットランプにLEDを使います.
高輝度ではない,安~いLEDにしたら僅かな電流でも光るみたいで,9.6[V]に対し,4.7[kΩ]の直列抵抗でも明るく光っています.

エフェクタ用なのでもちろん2.1mmジャックはセンターがGNDです.間違えて無線機を接続しないようにしないと.

KLON Centaurの製作

エフェクターのSoul Foodが気に入ったところで,その原型となる本家本元KLONのCentaurが気になります.さすがに本物はプレミアが付いていて何十万円もすることがあるので,手が出ませんが,ネット上には色々な情報が展開されています.

Centaurの筐体を開けると,基板上の部品は樹脂モールドされていて,使用部品や回路図がわかりにくいみたいですが,色々な人が解析をしていて,ほぼほぼ解明された回路図が出回っています.

KLON Centaurの回路図(craftsmanさん)

最大の特徴は,スイッチドキャパシタを用いた昇圧ICで入力の9Vから18Vと-9Vを生成し,よりブライトな?パリッとした音作りをしているところかと思います.TL072という8pin 2回路入りのオペアンプを2チップ使い,一個めのチップは9V動作,二個目のチップは+18V,-9V動作をしています.一個目のチップの中の初段はプリアンプ動作,二段目はGain調整をしています.エフェクターをスルーさせる動作の時は,初段の出力がそのまま出ていきます.
2チップ目のオペアンプとの間に,ゲルマニウムダイオードを用いたクリップ回路が付いています.受信機のアナログ・フロントエンドの保護回路よろしく,二個の逆向きダイオードが接続されて振幅制限をかけています.これによって正弦波がクリップされ,高調波を生成,オーバードライブ的な歪ができるという仕組みです.18V,-9Vが印加された二個目のオペアンプをこの入力を増幅しますが,そこにTREBLE調整と出力レベル制御も備わっています.
もうひとつの特徴は,最終的な出力の作り方かと思います.オペアンプ4段を通ってきた信号と,プリアンプから直の信号,プリアンプからの信号にフィルタをかけた信号の3種類を混ぜて最終的な出力を作っています.このあたりが,ポッドによる調整の対象となっており,独特の音になるのでしょう.

当初は,ネット上で得られた情報を元にプリント基板を起こそうとしていたのですが,たまたま楽天のセールが始まり,仙台の音色研究会オリジナルのCentaurの基板が半額セールになっており,ポチッとしてしまいました.

仙台初心者ギターサークル 音色研究会さん

あとは必要な部品を秋葉原で調達.無線の関連でゲルマニウムダイオードの入手先は把握していたのですが,昇圧のIC(ICL7660)と,100kオームBカーブの二連ポッドの入手に苦労しました.エフェクタ関連の部品は,ラジオデパートの桜屋電機店が有名で,お値段も安く入手できます.焼き付け塗装済みのケースも含め,ほとんどはここで揃いましたが,昇圧ICは入手出来ず,斜め向かいの店を紹介してもらい,新日本無線のセカンドソースチップ(NJU7660)をゲット.2連ポッドについてもラジオデパート内で入手しましたが,軸の長さが長く,他のポッドと高さが異なってしまいました(切れば良いのですが).

製作には二日ほど要しましたが,3mmくらいの小さいボディの抵抗器を想定したプリント基板であったため,いくつかフォーミングをする必要があり,それ以外は特に問題もなく完成.なお,音色研究会さんの回路図は,トーン回路のあたりが変更後のタイプになっていたのと,二連ポッドへの配線図に誤りがあったので,注意しましょう(見ればわかる範囲ですが).

KLON Centaur風エフェクター

早速試奏です.当たり前ですが,Soul Foodと似た音色です.パリッとしています.ただ,キーンという高音のノイズがずっと聞こえます.昔,スイッチング電源をアンプに使って失敗した時を思い出します.そうです,あの昇圧ICが原因です.色々調べると,新日本無線のチップNJU7660は5kHzでスイッチングしているらしく,それがもろに聞こえてきます.
その後色々調べたところ,世の中には色々な改良版の互換昇圧ICがあり,boost modeにすると,スイッチング周波数が10倍の50kHzになって可聴域外になるタイプのICがあり,それを使うことにしました.例えばLTC1144です.秋月で400円です.このために電車賃を払って行くのも面倒なので,日頃欲しいと思っていたいくつかの部品とともに通販で注文,送料500円で二日後にはゲット.便利な時代です.
予想通り,キーンという音はなくなり,完成です.
GAINのポッドだけ軸が長いのが気になりますが,音は良いので.

ELECTRO-HARMONIX / Soul Food

Electro HarmonixのSoul Food

久々にギターネタです.
冬になると個人的にSOTAがシーズンオフになり,昨秋から今春にかけては,ギターに集中していました.別途記事にする予定ですが,おニューのギターを入手したり,Fender Champ系の真空管ギターアンプを作ったり,色々充実していたのですが,その中で,プロが弾いているみたいなパリッとした音が出したくて,色々エフェクターを研究した結果,どうやら, ELECTRO-HARMONIXのSoul Foodがお気に入りになり,入手した次第です.
様々なサイトで記事になっているので,詳しい説明は省きますが,有名なKLONのCentaurというエフェクター(今はほぼ製造しておらず,20万円とかで取引されることもある)の互換機を実売1万円前後で販売しているものです.
エンジニア的なことを書くと,オリジナルとほぼ同等な回路を,表面実装部品を多用してコンパクトに仕上げています.Centaurについては,自作もしてみたので,これもまた別記事にしたいと思います.
で,実際のSoul Foodですが,なかなか良いです.Fender系というかシングルコイル系のエレキギターでパリッとしかもある程度太い音を出したい人には最適かと.
レスポールとマーシャルのアンプという組み合わせが好みの場合には,若干方向性が違うので,それは使い分けが必要と思います.
Gain,Treble,Volの3種のポット(ボリューム)がついていますが,傾向がつかみやすいので,好きな音にはスムーズにたどりつける気がします.

並行輸入品だとACアダプタがつかないみたいですが,正規輸入品だとACアダプタもついていているので,それも含めると価格もお手頃です.なお,並行輸入だとACアダプタが付属しない件は,日本の電安法の関係かと思います.国内の安全基準を満たしたACアダプタでないと許可が下りないので,正規代理店は,独自のACアダプタを付属品として添付しています.