実験用正負可変シリーズ電源

アナログ回路の実験をしていると,電圧が可変な正負の定電圧電源が欲しくなります.アナログの実験となると,小容量で良いので,むしろノイズの心配をしないで済むシリーズ電源が無難です.残念ながらその手の電源は,市販では高級なものになってしまい,中古で手に入れるか自作するかという選択になります.可変電圧の三端子レギュレータとして有名なLM317T/337Tを使って作ることにしました.レギュレータは,STMicroのものを秋月で売っていたのでそれを利用.せっかくの電源なので,スイッチやヒューズ,ACノイズフィルタ付インレットなど,オーソドックスな部品については,標準的なものを使ったせいで,思ったより出費が.ケースは自宅に20年近く眠っていたものを流用.回路はラグ板で組もうと思ったのですが,ちょっと面倒なので,秋月のLM338Tのキットを流用しました.チップは使わず,ヒートシンクを含む他の部品を使った感じです.但し,負電源のレギュレータはピン配置が異なるので,注意が必要です.電圧調整用には,多回転ポテンショメーターを使いました.一番悩むのはトランスです.昨今はスイッチングレギュレータばかりなので,シリーズ電源向けのパワートランスがあまりありません.秋葉原のアーケードにある東栄変成器で16V1A x 2 (CTになる)を見つけ,入手しました.残念ながら,もう在庫がなくなりそうな雰囲気でした.正負それぞれに電圧計を付けましたが,電流計は省略です(内部抵抗の影響が嫌なので).久々に大がかりな金属ケース加工でハンドニブラを駆使し,なんとか完成,デジタルマルチメータで計測したところ,安定も良さそうです.今度,セメント抵抗を入手して,高負荷状況下の精度,安定度と発熱を計測する予定です.

2 thoughts on “実験用正負可変シリーズ電源

  1. シリーズ電源いいですね。この間懲りたので実験用に欲しいです。CT付きトランスだけでも入手しておこうかな。うちの場合規模的にはシールドバッテリでも十分なので保護回路をちゃんと入れる方が先かもしれませんが。

    1. 最近はプラスの電源だけで大丈夫な回路も多いのですが,たまには試したいこともあるしね.例の測定器がノイズが多いので,せめて電源だけでも.あと,秋月にTIのICを使った「超ローノイズ・プログラマブル可変電源キット」があるので,普通のスイッチング式のACアダプターの後にこいつをかまして,ローノイズにするというのが,お手軽で,現実的と思います.トランス式は半分は懐古趣味かも知れない.